【音を楽しむ】「ハモる」ってどういうこと?ハモりのハードルを下げよう

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音楽

カラオケやコンサートなんかで2人以上の人が別々のパートを歌っている場面に遭遇したことはありますか?

いわゆる「ハモっている」状態です。

どう感じましたか?美しいと思いましたか?

時に、「こんだけきれいにハモれたら楽しいんだろうな~」と言う方がおられます。

もちろん素人が短期間でプロのように歌うのは現実的ではありません。プロの歌手のその歌声の背後には、専門家として技術を磨き上げてきた積み重ねがあるからです。

それでも実際のところ、単に聴き映えのする「ハモり」を披露することはそれほど難しいことではありません

あなたもカラオケなどの機会に誰かとハモって、音楽の楽しみ方を広げてみませんか?(カラオケに関してはコロナ流行でクラスター発生のリスクにつき注意が必要ですが)

今回は筆者の音楽経験での観察から、「ハモる」という技術について解説していきたいと思います。

ハモるのは難しくない

ハモることは難しくありません

「歌で誰かを感動させる」といった高度な目標に比べれば、ハモること自体はまったく難しいことではありません。

「歌う」なんて難しく考えるまでもなく、声さえ出せばハモることはできるんです。

「声を出す」ことの難しいイメージを払拭するために、まずは「歌う」という少し高度な行為について考えてみましょう。

歌う=スポーツ

歌うことはスポーツ

歌うことはスポーツと多くの共通点があります。というか、人間ができる運動の中に歌うという行為も含められます。

考えてみれば、歌うこととスポーツには多くの共通点があることに気付くでしょう。それはたとえば以下のようなもの。

  • 身体の特定の部位の筋肉をコントロールする
  • 反復練習をする

たとえば野球やテニス、サッカーなどの球技であれば、ボールを適切に飛ばすため全身の筋肉をコントロールしますね。

肩や大腿だけでなく、体幹や手首、足首の細かな部分に至るまで精密にコントロールしなければうまくいきません。

歌うことも同じですね。正確な音程で歌うためには喉周辺の筋肉を精密にコントロールしなければならない。

また声帯に負担をかけないためには息の量をコントロールしなければならない。そのためには肺周辺の筋肉もしっかりコントロールする必要があります。

りっぱな運動ですよね。そう、歌うことはスポーツなんです。

謎の難しさの正体

見えない見えない

では、歌うことに苦手意識を感じている人の前に立ちはだかっている壁とは何なのか。

それは、コントロールするべき場所の動きを直接見ることができないということです。

たとえば野球のスイングを改善したいとき、腰や肩の角度、肘のたたみ方や手首の返し方など、目で見れば分かる部分ばかりです。メンタル面の改善は除きます。

しかし対照的に歌唱を改善したいときはどうかというと、喉の動きは見えません。実際喉の内部は動いているものの、動かし方をどう改善したらいいかが非常につかみにくい。

その人の喉がどうなっているのか直接見るには喉を解剖してみるしかないんですよね。

ではどうするか?

歌うこととスポーツの共通点は、反復練習が必要なことです。

筋肉が見えようが見えまいが練習することで、この謎の難しさを克服することはできるんです。

野球やテニスやサッカーでボールをしっかり飛ばす練習を繰り返すのと、正しい音程で声を出す練習を繰り返すことは同じです。

フォームが美しいかどうかなんて実際のところ関係ありません。球技では飛んだボール、歌では発された声がすべての答えです。

残念なことに、「歌うのが苦手」と自称する人のほとんどは、そもそも練習していないという場合が非常に多い。

逆に、練習しながらどんな音が自分の喉から出てくるのかさえシミュレーションできていれば、本番で自信をもってうまく歌えます。

「こうやって喉を使った時はこんな声が出てくる」と自分で分かっているからです。

歌うまでもなくただ声を出すのはもっと簡単なことです。日常生活でやっている、「喋る」という動作の延長線上だからです。

まずはボールを撃つ、蹴るのと同じ感覚で、狙った音程で声を発することがハモることの第一歩。

ひとつずつクリアしていきましょう。

メロディにつられないために

さていざハモる時、メロディの音程につられてしまうというのが本番での難しさだと思います。

どうすれば他のメロディに惑わされずに自分の歌うべきハモりパートを全うできるでしょうか?

合唱の練習でのこと

自分の歌うべき旋律を覚えよう

まずはその曲で決められているメロディ(主旋律)に対する考え方、見方からです。

中学生の時などに合唱をした経験はありますか?

中学での合唱はソプラノ(女声の高い方)がメロディを歌うことが多く、他のパートはハモることが多かったですよね。

ある曲をやっていく時、まずはパートごとの音源などを聞いて何度も何度も、覚えるほど真似して練習したはずです。

そうやって自分のパートのメロディを覚えていきます。CDなしでもみんなと一緒なら歌えるようになってきて、いつの間にか体に染みついてきます。

やがてほぼ完璧に歌えるようになってから全体と合わせてみた時、他のパートが歌っているのを聴いてみると、ちょっとしっくりこないような気がするものです。違和感を感じる。

たとえそれが本来のその曲のメロディであってもです。

メロディ+メロディ

音が層のように重なって一つの楽曲になっています
どんな楽曲も分解していけば一つ一つのメロディが層のように重なってできていることが分かります。困ったときは、まず分解。

お気づきでしょうか?本来は裏方に回るはずの自分のパートの旋律も、覚えてしまえば自分にとっては立派な主旋律(メロディ)なんです。

まずは本来のメロディがかすむくらい自分の歌うべき旋律に集中すること。これでOKなんです。

極端な話、「自分のパートはただ埋もれる裏方であるどころか、むしろ主役なのだ」と。

もしも目立ちすぎてバランスが崩れるのなら慣れれば後から修正すればいい。音楽は0を1にすることは難しくても、1を5にすることは簡単だからです。

嬉しいことにこれは合唱曲に限ったことではなくて、ありとあらゆる楽曲で使える考え方です。

要するに音楽に含まれているメロディはなにも一つに限らなくて、いくつもの選択肢の中から作曲家が選んでいるに過ぎないのです。

すべての音楽は「メロディ+メロディ」の積み重ねで構成されている。このことを覚えておきましょう。

それならば、自分は彼らが選ばなかった別のメロディを探して、そのパートを追えばいいということなんですよね。

そんないわば裏メロディをひとたび見つけたら、そのパートを一心不乱に覚えるまで繰り返し練習します。

本来のメロディに違和感を覚えるくらいまでそのパートが体に馴染んだら、もう他のパートにつられることはないはずです。

ハモりパートの見つけ方

じゃあその自分が歌うべき裏メロディはどうやって見つけたらいいんだよと。

筆者のように普段からさんざっぱら歌うという習慣がない方にとっては、ここがもう一つの大きなネックですよね。

ハモるべきパートを見つけるための方法はいくつもあって、すべてを紹介したところで実践するのは易しくないでしょう。

ここではハモりパートを探す比較的ハードルの低い方法をひとつご紹介したいと思います。

三度の音を見つけよう

サンド

音楽用語で「」というのは、音と音の距離(音楽用語では「音程」という)を表す単位です。

で、三度というのは、ある音から「ド、レ、ミ」と数えながら上がった、二つ三つではないのに注意)高い音のことを指します。

逆に二つ低い音も、見方によっては三度の関係にあるといえます。

この三度という音程は、メロディと一番近くて、かつ協和している(いわば「ハモって」いる)状態を生み出してくれる音です。

基本的にデュエットでハモる場合にはほとんどがこのプロセスで事足りるでしょう。

三度の音を見つける方法自体は簡単です。以下のようにやってみてください。

  • 歌いたいメロディの最初の音を発しながら確認して、覚える。これが基準の音。
  • その基準の音を「ド」として、「ド、レ、ミ」と一段、もう一段上の音へと移動する。
  • 見つけた音をしっかりと覚える。また、基準の音と行ったり来たりして音の距離感を覚える。

可能であれば別の人に基準の音をずっと発してもらい、見つけた音との響きを覚えてしっかり自分のものにしましょう。

三度のハーモニーはきっと私たちにとってなじみ深い響きだと思うので、見つけられたらきっと快感を覚えるはずです。

面白いことに人間の耳はそうできているんですね。

三度で平行移動

最初のうちはその最初の音の響きをひたすら覚えましょう。その響きが自分の頭の中で染みついたら次のステップです。

メロディとまったく同じ動きを、その三度の距離を保ったまま追いかけます

少し難易度が上がるのですぐにできればこんなに楽なことはないのですが、これができればもはやハモれています。

どうぞお試しください。

まとめ

マイク

いかがだったでしょうか。

即興で感情溢れるままにハモれている人を見て、「ああ、自分は才能がないんだ」なんて思う必要は1ミリもありません。

安心してください、あなたがハモれないのであれば単純に練習していないからです。

逆に練習さえすればなんだってできるのが音楽です。

ぜひ自分の声をコントロールする練習をしながらハモりを習得して、あなたの人生に音楽の楽しさをプラスしてみてください!

とはいえ、効率的な練習の方法に関してはいろいろ考えなければならない要素があるのも事実。

それらはおいおい別の記事で書いていこうと思います。

それではまた次の記事で!

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