「天橋立と伊根を日帰りで回りたいけど、どういう順番で観光すれば効率がいいの?」
そんな人向けに、実際に筆者が歩いたモデルコースを紹介します。
兵庫県の豊岡発で、
- 伊根
- 天橋立
- 由良川橋梁
- あおまつ号
を1日で楽しめるプランです。
使うのは京都丹後鉄道と丹後海陸交通が発行している「海の京都 天橋立・伊根フリーパス」。
これは天橋立・伊根エリアへの行き帰りと周遊のための交通機関を乗り放題で使えるきっぷです。
公共交通機関のフリーパスを使って、コスパよく観光を楽しみましょう!
まずは全体像を知っていただくために、今回の行程を1枚でまとめました。

それでは詳しく見ていきましょう。
概要
| 所要時間 | 約9時間 |
| 費用 | 約3,550円(フリーパス利用時) |
| 移動手段 | 京都丹後鉄道・路線バス・観光船 |
| 歩行量 | 少なめ |
| おすすめ度 | ★★★★★ |
タイムスケジュール
| 時刻 | 行程 |
|---|---|
| 7:29 | 豊岡駅出発 |
| 8:45 | 天橋立駅到着 |
| 9:00 | 観光船で対岸へ |
| 9:22 | 路線バスで伊根方面へ |
| 10:00 | 伊根湾めぐり遊覧船 |
| 10:34 | バスで天橋立へ戻る |
| 11:15頃 | 天橋立で昼食 |
| 12:15頃 | 笠松公園へ |
| 13:45 | 観光船で天橋立桟橋へ戻る |
| 14:16 | 一旦西舞鶴方面へ |
| 14:42 | 丹後神崎駅で下車 |
| 14:54 | あおまつ号乗車 |
| 16:36 | 豊岡駅到着 |
各交通機関の時刻表
このモデルコースがベースとしている鉄道や路線バスなど交通機関の時刻表は、定期的に改正されている可能性があります。
実際に計画を立てる際には必ずご自身で時刻表を確認して頂くようお願いします。
以下は各交通機関の時刻表へのリンクのご紹介です。
京都丹後鉄道
時刻表がPDF形式で公開されているので、必要に応じてダウンロードし保存することができます。
路線バス(丹後海陸交通)

天橋立観光船

伊根湾めぐり遊覧船
基本的には9時~16時の間で30分ごとに運航しています。

傘松公園ケーブルカー・リフト

モデルコースを詳しく紹介
このモデルコースで押さえておくべきポイントや見どころを解説していきます。
フリーパスは事前に購入が鉄則

このモデルコースでは、豊岡駅窓口の営業時間よりも前に無人の改札を通っていくことになります。
列車内でフリーパスを購入することはできませんし、到着駅で購入したとしても乗ってきた列車分には適用されません。
必ず最初の列車に乗る前にフリーパスを持っている必要があるため、確実に前日までに余裕をもって購入しておきましょう。
220D列車にトイレはある?
最初に乗る列車220Dは豊岡駅を7:29に発車し、天橋立駅には8:45に到着します。
この列車は一般車両が充当されるので、当然車両設備が乗車日によって変動します。
行き先は「西舞鶴」を表示。

出だしから約1時間以上に及ぶやや長時間の移動なので、トイレの有無は気になるところ。
筆者が実際に利用した際にはトイレ付車両が使用されていましたが、日によってはトイレなしの車両が充当される可能性も十分にあります。
なるべく出発前に余裕をもって豊岡駅に到着し、トイレを済ませておくといいでしょう。
左右どちらの眺めも楽しめますが、進行方向左側では海が見える区間もあるためおすすめです。
天橋立観光船ではカモメの餌やりが人気

天橋立駅に到着してから観光船が出るまでは15分間。
基本的にはここで初めてフリーパスを提示し、日付入りのスタンプを押してもらうことになるはずです。
桟橋までは徒歩で約4分なので余裕はありますが、駅から海は見えないうえ路地の合間を縫って移動する必要があるので油断は禁物です。
ちなみに後で活躍するであろうかっぱえびせんをあらかじめ購入しておくと、大変心強いこと間違いなし。
桟橋に着いたらゲートを通り、フリーパスを見せながら観光船に乗り込みましょう。

朝のうちはまだ涼しく風もあるはずなので、おすすめはもちろん階段を登って2階の展望デッキ。
ちなみに出航時は大きく旋回して向きを変えるので、進行方向は天橋立側です。
船が出航するとカモメたちが追いかけてきます。
進行方向右手に松林を見ながら、優雅に風を浴びつつ時々えびせんを振る舞いましょう。
やがて前方に見える傘松公園の麓にある一の宮桟橋に着岸します。
路線バスで伊根へ(所要約30分)
一の宮桟橋で船を降りるとだいたい9:15頃になっています。
最寄りの「天橋立元伊勢籠(この)神社」バス停をバスが通るのは9:23と、またしても時間の余裕はさほどありません。
船乗り場を出てまっすぐ国道へ進み、右手にある信号の横断歩道を渡ってから左方向に少し戻ると「元伊勢籠(この)神社前」バス停伊根方面に辿り着きます。
ちなみに国道の手前側のバス停は天橋立駅方面行きです。バスに乗り慣れていない方はご注意を。
必ず国道の向こう側の伊根方面バス停に行きましょう。
行き先は「伊根郵便局前」もしくは「蒲入」を表示していればOK。
天橋立から伊根までのこの区間の路線バスは、右手に若狭湾をのぞむとても景色のいいところです。
路線バスでフリーパスを見せるのは下車する際のみで問題ありません。
伊根湾めぐり遊覧船
目的地には「伊根湾めぐり日出」というバス停があるのでそこを目指します。
名前の通り伊根湾めぐり遊覧船の乗り場の目の前にバス停があり、降りたらすぐに船へと流れのように乗り込むことができます。
もしバスに大きな遅れがなく予定通りに到着すれば、10時ちょうどの出航に間に合うことでしょう。
かっぱえびせんを補充する時間もあるかもしれません。
乗船の際にはいつものようにフリーパスを見せながら入っていきましょう。

こちらの船も、階段を上がって2階の展望デッキがおすすめです。
また出航とともに旋回して大きく向きを変えるので、乗り込む際の進行方向は陸側です。
出航してしまえば、伊根湾の潮風を浴びてカモメと戯れることができます。
かっぱえびせんを振る舞う時はなるべく長いものを選び、腕をなるべく高くしっかり伸ばしておくのがおすすめ。
短いものだと指にくちばしが当たったり、体に当たってきてしまうこともあり得ます。カモメもさらい方を練習してますからね。
あ、有名な伊根の舟屋をじっくりと観察することもお忘れなく。楽しみごとは何でもバランスよく。
25分経つ頃には再び桟橋に戻ってきます。
もし物足りなければフリーパスを最大限に活用してもう一度乗るのもよし、もちろん満足したら次の行程に進むのもいいでしょう。
天橋立に戻って昼食
遊覧船がスムーズに終われば、10:34に出る帰りのバスに乗ることができるはず。
ここのバス停は出入口の目の前にあるので、ほぼ迷う心配もないでしょう。
帰りのバスも伊根の奥の方からお客さんを乗せてやってくるのですが、早い時間帯なのもあり行きよりも混雑している可能性は低いと思われます。
行き先は「上宮津」です。

降りるのは「天橋立元伊勢籠(この)神社」または「天橋立ケーブル下」バス停。お間違えなく。
降りたら山側に向かうとケーブルカーもしくはリフトの府中駅があります。
着くころにはちょうど昼どきなので、笠松公園に上がる前に食べるか上がってから食べるかを選ぶことができます。
予算や好みに応じて選べますが、以下の原則に基づいて決められます。
- 食事にかける予算を1,500円以下に抑えつつしっかりめに食べたいなら、上る前
- 食事にかける予算が2,000円~5,000円になってもいいので天橋立を眺めながら思い出に残る食事をしたいなら、上ってから
- 食事にかける予算を極力抑えたいなら、上る前にバス停近くのスーパー「にしがき」で
ちなみに筆者が訪れたおすすめのお店はこちら、松屋本店さんです。うどん付きの焼き鯖寿司(1,500円)や黒ちくわがおすすめです。
この付近にもつるや食堂などコスパよく食事をするところが見つけられます。
笠松公園

笠松公園へのアクセス方法はケーブルカーとリフトの2種類があります。
スキーなどでリフトに乗りなれている人は待ち時間のないリフトがおすすめですが、15分に1本のペースで出ているケーブルカーもおすすめです。
上っている間は横向きの眺めもさほど良くないので、上っている途中の景色を楽しみたいなら下のほうを見られるケーブルカーのほうがいいでしょう。
下りであればリフトのほうが前面展望が開けていてより楽しめます。
笠松公園に着いてから楽しむことは少なくとも次の3つです。
- 伝統の観光行事「股のぞき」
- アマテラス2階のレストランやカフェ、展望ホールで食事や軽食を楽しむ
- アマテラス1階の売店でご当地グッズやおみやげを見る
この場所に着いたらやはり一度は経験しておくべきは「股のぞき」です。
笠松公園から股のぞきをして海の松林を見ると、天に橋が架かっているように見えることから「天橋立」の地名の由来なのではと言われているのだとか。
ちなみに反対側の天橋立駅の山側にあるビューランドからも股のぞきができますが、そちらからは竜が天に昇っている迫力ある様子を連想させるのだそうです。
ビューランドはフリーパスの範囲外ですが、時間の余裕があればこちらもぜひお試しあれ。
由良川橋梁を渡る

伊根・天橋立と結構お腹いっぱいな気もしますが、帰りの道中で京都丹後鉄道の中でも特に有名な絶景スポットである由良川橋梁を渡ってみるのはいかがでしょうか。
由良川橋梁は天橋立駅から西舞鶴方面にさらに3駅進んだ丹後由良駅から先の区間にある、水面から橋桁がわずか3メートルの高さでまるで海の上を走っているかのように感じられるシンプルな鉄橋です。
また由良川橋梁にたどり着くまでの区間も、海沿いの美しい景色を楽しめるので大変おすすめ。
そして丹後由良の次の丹後神崎駅で下車し、やがて反対方向からやってくるのは京都丹後鉄道の誇る観光列車のひとつ「あおまつ号」。
このあおまつ号で豊岡に戻りながら、ちょっと優雅に旅を締めくくりましょう。
この行程を実現するためにはまず、天橋立観光船の一の宮桟橋に13:45までに戻る必要があります。
笠松公園から降りて船着き場に着くまでは、ケーブルカーを使ってもだいたい30分くらいを見ておけば大丈夫でしょう。
天橋立駅前で少し散策したいなら、もう30分か1時間前倒ししておくのもおすすめです。
乗るべき230D列車は14:16に天橋立駅を発車します。ホームは改札を通って最も手前の恐らく1番線です。
列車が天橋立を出ると宮津・栗田(くんだ)・丹後由良・丹後神崎と進んでいきます。
丹後由良から丹後神崎の間にはお目当ての由良川橋梁があります。
由良川橋梁を渡ると、右にカーブした終わりかけに丹後神崎駅に到着するので下車しましょう。
無人駅でワンマン列車なので、なるべくスムーズに降りられるよう1両目の先頭付近に移動しておくのがおすすめです。
あおまつ号に乗車

丹後神崎駅に到着するのは14:42で、最後に乗る対抗列車の233Dは14:54です。12分という待ち時間があります。
もうひと駅分進めそうなのになぜ丹後神崎駅で乗り換えるのか?
実はこの2つの列車がすれ違うのはもう一つ西舞鶴側の東雲(しののめ)えきなのですが、この駅で反対向きの列車を乗り換えるには反対側のホームに移動しなければいけないのです。
しかもまったく同じ14:49に東雲駅を発車するので、万が一にも乗り換えに失敗するわけにはいきません。
それに比べると丹後神崎駅は交換設備を持たない棒線駅。ホームの移動も乗り換え失敗のリスクもありません。
小さな駅舎もあるので日陰や最低限の雨除けも確保できます。安全性もバッチリというわけです。
こうして14:54に反対方向からやってくる233Dあおまつ号に乗ってしまえば、あとは寝てても豊岡駅に運んでくれます。
ちなみにこのあおまつ号が多くの人にとってうれしいポイントは、このご時世に珍しい車内販売がされていることです。

途中の宮津駅までの区間では、アテンダントさんが車両中央部のカウンターで丹鉄コーヒーやビールなどの飲み物や特別なグッズなどを販売してくれています。
しかもこの車両は座席のバリエーションも様々で、4人グループなどにおすすめなボックス席をはじめ少人数で海の眺めを楽しむのに最適なカウンター席などもあります。
最後の豊岡まで、思い思いの楽しみ方ができるのもあおまつ号ならではです。
終点の豊岡には16:36に到着します。
実際にかかった費用
このモデルコースを筆者が実際に試してみた際の費用は以下の通りです。人数は2人分です。
| 交通費 | 7,100円(3,550円×2人) |
|---|---|
| 食事 | 3,000円(1,500円×2人) |
| 駐車場(豊岡駅) | 600円 |
| 合計 | 10,700円 |
詳しい内容はこちらのページもご参考に。

このモデルコースがおすすめな人
ここまでご紹介してきた方法で天橋立と伊根を周遊するのをおすすめしたいのは以下のような方です!
- クルマなしで近畿地方北部を旅行したい
- 日帰りで回りたい
- 伊根も天橋立も両方見たい
- 観光列車が好き
日常でクルマを多用している方や安全意識の高い方は、たまにはクルマを置いてのんびり旅したいと思うことでしょう。
筆者はまさにそのような考えからこのモデルコースを考えてみました。
クルマで観光するのも目的地までダイレクトに行ける楽さはあるのですが、道を探したり駐車場を探したりと特有のストレスが積み重なるものなんですよね。
一方で公共交通を使うと、この身一つで移動できるのでそうしたストレスは皆無。
さらに街を散策したり乗り換えをしたりするのは、クルマ社会特有の運動不足を解消する良い方法のひとつでもあります。
またこのモデルコースでは長距離をのんびりと観光列車も交えて楽しみつつ、伊根と天橋立という2大観光スポットを適度なペースで周遊します。
そういう意味では、おトクに非日常体験ができるとてもいい機会になることでしょう。
注意点
筆者が7月20日海の日に実際に経験したことをもとに、このモデルコースで懸念されることをいくつか挙げてみたいと思います。
観光船は出航時間と場所に注意
上にも述べていますが、天橋立駅から観光船が出航する桟橋は直接見通せません。
また丁寧すぎるほどの道順案内も現地にはそこまでありません。
最初に天橋立駅に着いて、フリーパスに押印してもらうひと手間も含めて猶予は15分間だけです。
初めて訪れる場合は特にくれぐれも到着してから慌てることのないよう、あらかじめ桟橋までの道順を覚えておきましょう。
バスは混雑する
祝日であったこともあり、特に行きの天橋立から伊根への路線バスはとても混雑していました。
乗車率はざっと150%以上だったのではないかと思います。
つまり立ち客同士でさえ揺れるたびに身体が接触するほどの混雑具合です。
さらにこの区間はおよそ30分間に及びます。長すぎることはありませんが立って揺られていれば多少の疲労感は出る所要時間。
足腰に配慮が必要な方は躊躇なく席を譲ってもらったり、あるいは何らかの事前の対策をとっておくのが良いでしょう。
海の日など連休は早め行動がおすすめ
田舎の観光地だから混雑とは皆無なのではと侮ってはいけません。
筆者も実際に経験してみてわかりましたが、観光資源のキャパに対して十分すぎるほどの観光客が集まります。
なので遊覧船やロープウェイなど、並ぶべき列にはなるべく早く並びましょう。
真夏は暑さ対策が必要
今回ご紹介したモデルコースでは外気をいっぱい浴びることになります。
乗り換えのために歩いたり、遊覧船で太陽を浴びたり窓のないロープウェイに乗ったりなどです。
普段から都市部でよく歩いて生活している人には特に問題ないかもしれませんが、クルマ社会で長時間外気を浴びる機会のない人であればそういうタイミングでは要注意。
夏場は特にあらかじめ水分補給や暑さ対策を整えておくことが重要です。
また逆に汗をかいた後に冷房の効いた室内や列車に入って急激に体が冷えてしまわないよう、軽い上着などを用意した方がいい人もおられることでしょう。
いずれにせよ大きな気温の変化には念入りな準備が欠かせません。
まとめ
最後に、このモデルコースのメリットをまとめておきます。
- フリーパスだけで主要観光地を回れる
- クルマなしでも十分楽しめる
- 伊根・天橋立・由良川橋梁・あおまつ号を1日で満喫
- 実際に筆者が歩いて確認済み
このモデルコースは、たくさん歩くのに不安がある人でも十分に楽しめるペースで作ってみたものです。
そのうえでフリーパスをしっかり活用することで一人あたり5,000円もあればしっかり楽しめる、とてもコスパのいい旅になっています。
城崎温泉に行った翌日なんかに挟んでみるのもいいんじゃないでしょうか。
豊岡を中心に近畿地方北部を旅したい方はぜひ、この「海の京都 天橋立・伊根フリーパス」をフル活用してみてください!

