どうも、鉄道好きのカルロスです。
青春18きっぷの価格や利用方法が改訂されて以来、鉄道旅のハードルが上がったと感じる人は少なくないでしょう。
でも実際にはJRをはじめ多くの鉄道会社ではまだまだ個性的な乗り放題きっぷを販売しています。
たとえば関西では、京都府と兵庫県の北部をまたぐ京都丹後鉄道から販売されている「海の京都 天橋立・伊根フリーパス」がとても魅力的。
今回はこのきっぷの利用価値について徹底解説していきます!
ちなみに実際に筆者が組んだ旅程の記録はこちらからどうぞ。

「天橋立・伊根フリーパス」利用がおすすめな人
「天橋立・伊根フリーパス」は便利なきっぷですが、どんな人にもおすすめできるわけではありません。
このきっぷを使ってより良い旅の体験ができるとしたら、以下のような人でしょう。
- 遠方から公共交通を使って、伊根と天橋立の少なくともいずれかを観光したい人
- 伊根と天橋立を両方とも公共交通機関を使って同日中に行き来したい人
他のきっぷ等を検討すべき人
- 京都丹後鉄道での乗車をおもに楽しみたい人
- 京都丹後鉄道の「はしだて」や「こうのとり」等の特急列車を利用したい人
- 伊根または天橋立までクルマやレンタカーで行き、かつそのスポットでのみ楽しみたい人
たとえば「天橋立・伊根フリーパス」は普通列車だけでなく自由席設定のある特急列車の自由席にも乗車可能です。
しかし「はしだて」や「こうのとり」といった特急列車は全車指定席のため、このフリーパスだけでは乗車できません。
海の京都 天橋立・伊根フリーパスとは?

このフリーパスの価格は1Dayが3,550円(小児: 1,780円)、2Daysが4,550円(小児: 2,280円)です。
今回は特に1Dayで検証していきたいと思います。
鉄道の利用区間は、京都丹後鉄道全区間の普通列車、快速列車、特急列車自由席となっています。
鉄道以外に利用できる交通機関は以下の通りです。
- 天橋立観光船:宮津桟橋~天橋立桟橋~一の宮桟橋
- 天橋立傘松公園ケーブルカー・リフト:府中駅~傘松駅
- 伊根湾めぐり遊覧船:伊根湾めぐり日出~周遊~伊根湾めぐり日出
- 路線バス:宮津駅~天橋立駅前~天橋立ケーブル下~伊根湾めぐり・日出~伊根
まさに天橋立と伊根を周遊することに特化した切符となっています。
詳しい最新情報はこちらのページからご確認ください!
このフリーパスの2つの役割
では実際にこのきっぷをどう使えば最大の効力を発揮させられるのか。
このきっぷの用途は大きく2つに分割することができます。
- 西舞鶴・福知山・豊岡から天橋立までの移動手段
- 天橋立・伊根エリアでの周遊
このうち前者については起点となる3駅を比較しながらこちらの記事でまとめています!

天橋立駅到着後の周遊パターン
ここからは天橋立駅に到着した後に、天橋立・伊根エリアでどう攻略するかを考えていきましょう。
両エリアともまんべんなく周遊した場合には明らかにフリーパス黒字となるため、今回は割愛します。
パターン①: 天橋立エリアだけ周遊

天橋立エリアには智恩寺や松林など歴史的・地理的にとても興味深い見どころが豊富にあり、一日をこのエリアで過ごすことも十分選択肢になるでしょう。
ただしフリーパスを使うかべきどうかは動き方次第となります。
このエリアにある当フリーパスの利用範囲内の公共交通機関は以下の3つ。
- 天橋立観光船
- 路線バス
- 傘松公園ケーブルカー・リフト
天橋立観光船と路線バスを行きと帰りで使えば海と陸で一周回ることができます。
パターン②: 伊根に足を伸ばす

伊根まで到達するなら、たとえ天橋立でほとんど観光しなかったとしてもフリーパスの利用価値が高くなります。
伊根を観光に含める場合、以下の公共交通機関を使います。
- 路線バス
- 天橋立観光船
- 伊根湾めぐり遊覧船
伊根に着くためには必ず路線バスを使うことになりますが、途中まで天橋立観光船を使えば旅のバリエーションが大きく広がります。
実際に料金を計算してみた
さて実際に料金を計算してみるにあたり、こちらの記事でまとめている福知山・豊岡・西舞鶴それぞれの駅を出た場合の運賃も前提としておきたいところ。

これらの駅から仮に普通列車のみで往復した場合の利用金額と、フリーパスのみなし残額は以下の通りです。
| 起点駅 | みなし往復運賃 | みなし残額 |
|---|---|---|
| 福知山 | 1,600円 | 1,950円 |
| 豊岡 | 2,400円 | 1,150円 |
| 西舞鶴 | 1,300円 | 2,250円 |
フリーパスの利用で元を取ろうとする場合、みなし残額分よりも多く天橋立・伊根エリアの交通機関で利用すればいいというわけです。
この時点でもっとも有利なのが一番通り豊岡を旅の起点とした場合です。
福知山発は利用列車に特急も含まれるのでこの限りではありませんが、西舞鶴駅を起点とする場合は天橋立・伊根エリアの比重がだいぶ大きくなることがわかります。
では次にそのエリアにある交通機関の料金を確認していきましょう。
| 交通機関 | 大人 | 小児 | |
|---|---|---|---|
| 天橋立観光船 天橋立桟橋~一の宮桟橋 | 片道 | 800円 | 400円 |
| 往復 | 1,300円 | 650円 | |
| 天橋立ケーブルカー・リフト | 片道 | 400円 | 200円 |
| 往復 | 800円 | 400円 | |
| 路線バス天橋立駅~天橋立ケーブル下 | 片道 | 200円 | 100円 |
| 路線バス天橋立駅・天橋立ケーブル下~伊根湾めぐり・日出 | 片道 | 400円 | 200円 |
| 伊根湾めぐり遊覧船 | 1回 | 1,200円 | 600円 |
これらを踏まえて、先ほど考えた2通りの周遊パターンを検証していきましょう。
パターン①: 天橋立エリアだけ周遊した場合を検証
たとえば天橋立駅から観光船で対岸へ渡りケーブルカー・リフトを使って笠松公園へと昇って降り、路線バスで天橋立駅まで戻る一筆書き行程をしたとします。
観光船で800円、ケーブルカー・リフトで800円、路線バスで200円となり、みなし合計金額は1,800円となります。
この時点で、豊岡駅を旅の起点とした場合は大幅な黒字が確定します。
一方で福知山起点と西舞鶴起点の場合はぎりぎり赤字となりますが、福知山からの往路か復路で特急を使う場合は黒字となります。
ですがたとえば天橋立駅までの帰りを路線バスではなく観光船にしたとすると、1,300円+800円でみなし合計金額は2,100円となります。
福知山起点で普通列車のみで旅を終えたとしても、フリーパス利用で黒字を達成できることがわかります。
しかもどれも乗り放題なので、行程をもう少し増やすことも可能。
やはり当フリーパスのコスパの良さがうかがえます。
パターン②: 伊根に足を伸ばした場合を検証
天橋立駅から観光船に乗り対岸へ、路線バスへ乗り継いで伊根へ行き遊覧船に乗り、路線バスで直接天橋立駅に戻ったと仮定します。
観光船で800円、路線バスで400円、遊覧船で1,200円、再び路線バスで400円なので、みなし合計金額はなんと2,800円!
なんと比較3駅のどれを起点とするかを問わず、文句なしの黒字となりました!
恐るべしフリーパス!
フリーパスを使うメリット
とはいえ検証したパターンは割とフットワークの良い人向けで、足腰に不安がある人や公共交通機関を使い慣れていない人にとってはややハードでしょう。
とはいえたとえ見込み交通費の合計金額がフリーパスの価格を超えなかったとしても、フリーパスを使うことには金額以上のメリットがある可能性があります。
途中下車しやすい
フリーパスは指定された交通機関・路線内であれば自由に乗ったり降りたりできます。
道中で突発的に行きたくなったところや気になったところがあれば、躊躇することなく旅程を変更することができます。
柔軟性の高い旅、もしくはある程度計画を放棄した自由気ままなぶらり旅を楽しむことができるでしょう。
いちいち券を買う必要がない
予約の手間が必要ないのはもちろんのこと、ひとたびフリーパスを購入すればあとは何もチケット手続きが必要ないのが大変楽です。
行く先々でフリーパス提示さえしていれば、チケット購入のために列を作る人を横目に優雅に旅を楽しめます。
「元を取ろう」というプレッシャーがない
そもそも今回の検証で、当フリーパスで伊根まで行けば確実に購入金額の元が取れることがわかりました。
おトクに旅を楽しめているという実感も、旅行の醍醐味と思うのはきっと筆者だけではないでしょう。
逆に気になった点
今回ご紹介したフリーパスはとてもコスパが良く、大変おトクなおすすめできるものであることがおわかりいただけたでしょう。
とはいえどんな人にもおすすめできるものではないのも事実で、たとえば以下のようなデメリットも存在します。
起点駅・周遊プラン次第では元が取れないこともある
まずは金額面。
さすがにどの公共交通機関も営利企業なので、観光客が集まりつつも利益をできる限り保てる金額設定にしているはずです。
それでもこのフリーパス金額は破格だと思いますが(笑)
しかしながら、たとえば検証したように西舞鶴起点・天橋立エリアのみの周遊だと元が取れない場合もあります。
その場合はどうぞこの記事で検証した内容をよくご覧になり、プランの調整もしくは他の観光方法を検証してみるのはいかがでしょうか。
バス時刻に左右される
あらゆる交通機関の中で、特に定時性を確保するのが難しいのが路線バスだと筆者は考えています。
渋滞や事故による道路状況などに大きく影響されてしまうからです。
そして当フリーパスの場合、伊根方面へ足を伸ばす場合には確実に路線バスを使うことになります。
定員が列車や船に比べて割と限られていることも、実際に経験してみるとやや不安な要素ではあります。
滅多に支障が出ることはないと思いますが、やや脆弱性をもった路線バスに依存してしまう旅ではもしもの事態に備えておいてやりすぎではないと言えるでしょう。
まぁ言い出すときりがありませんけどね。
人数が増えると不便かも
公共交通機関を使う際にはひとり当たりの金額がわかりやすいですが、人数がかさむと全体の旅費も大きくなります。
たとえば4人になった場合、14,200円にもなります。
鉄道利用が好きであえてフリーパスを使いたい場合を別として、自家用車やレンタカーで天橋立・伊根エリアを周遊するには恐らくこの金額は十分すぎるほど。
しかも時刻に縛られずについでの買い物などにも便利です。
どうぞ旅のコンセプトや目的に沿った旅行手段を選択するようになさってください。
こんな人にはおすすめ
ここまで実際の料金を比較してきましたが、結局のところ「天橋立・伊根フリーパス」はどんな旅に向いているのでしょうか。
筆者が特におすすめしたいのは、以下のような人です。
- 天橋立と伊根の両方を公共交通機関で観光したい人
- 伊根湾めぐり遊覧船や天橋立観光船にも乗りたい人
- 福知山・豊岡・西舞鶴から京都丹後鉄道を利用して天橋立へ向かう人
- 途中下車しながら自由気ままに旅を楽しみたい人
- 旅先でいちいち乗車券や乗船券を買う手間を減らしたい人
- 「せっかくならおトクに旅をしたい!」という人
特におすすめなのが、伊根まで足を伸ばして天橋立周辺の交通機関もいくつか利用するプラン。
今回の検証でも、京都丹後鉄道を使わずに天橋立・伊根エリアを周遊するだけで、フリーパスの価格を上回るケースがありました。
つまり「鉄道にたくさん乗らなければ元が取れない」というわけではありません。
一方で、西舞鶴を起点に天橋立だけを散策するなど、利用する交通機関が少ない旅では通常の乗車券を利用したほうが安くなる可能性もあります。
「どこから出発するのか」「どこへ行くのか」「どの交通機関を使うのか」。
この3つを旅の前にざっくり計算してみるだけで、フリーパスを購入すべきかどうかがかなり見えてきます。
ぜひ自分の旅程に当てはめて、フリーパスの利用を検討してみてください。
まとめ
今回は「海の京都 天橋立・伊根フリーパス」が本当におトクなのか、実際の利用シーンを想定して検証してみました。
結論としては、天橋立・伊根エリアを公共交通機関でしっかり周遊するのであれば、かなりおすすめできるフリーパスだと思います。
特に伊根まで足を伸ばす場合は、鉄道だけでなく観光船や路線バスなどにも利用できるため、フリーパスの恩恵を受けやすくなります。
一方で、出発する駅や観光する範囲によっては元が取れないケースもあります。
そのため「フリーパスだから買っておけばおトク」と考えるのではなく、自分がどこから出発して、どこへ行き、どの交通機関を使うのかを簡単に計算してみるのがおすすめです。
私自身、今回の旅程を何パターンも比較してみましたが、天橋立・伊根を公共交通機関で周遊するなら、このフリーパスが最も効率よく旅を楽しめる選択肢のひとつだと感じました。
そして何より、細かい運賃を気にせず「次はどこへ行ってみよう?」と旅先で自由に動けるのが、このきっぷの一番の魅力なのかもしれません。
天橋立や伊根への旅行を計画している方は、ぜひ自分の旅程と照らし合わせながら、この便利なフリーパスを活用してみてはいかがでしょうか。


コメント