こんにちは!こんばんは!おはようございます!
あなたは、外国に行った、または外国の文化に触れたことはありますか?
「ない」と答えたあなたは、きっとこの記事を読む間いくつもの衝撃を受けることになるかもしれません。
今回は、ボリビア文化の紹介の一環として衛生面について書いていきたいと思います。
この分野もなかなか奥が深いので数記事にわたって書いていく予定です。
第一回目に取り上げていきたいのはお肉屋さん。
「え、なんか日本と違う感じで楽しそうやん!」とポジティブに感じますか?
それとも…「うわ、やっぱり自分には無理やわ〜」とカルチャーショックに苦しんでしまいますか?
きっと真っ二つに分かれること必至です。楽しみですね。
衛生面といえば、まずはこのテーマから始めなければいけませんね。
買い物をしたり、料理をしたり、外食したり、誰かがご飯に呼んでくれたり、はたまたこちらから家に呼んだり…
きっといろんなシチュエーションでボリビア人との違いを痛感することでしょう。
日本のお肉屋さん
まず比較していきたい日本のお肉屋さんの現状についてポイントをまとめておきます。
基本的にすべての商品は外気に触れない
僕は日本の某スーパーマーケットの肉を扱う部門で仕事をしていたことがあります。
生肉か加工肉かを問わず、多くの肉製品はトレーやラップ、袋を使って密閉してあることがほとんど。
お店で切るなど加工する目的で仕入れられる生肉も、部位ごとに大きな塊のまま真空パックに入っているものです。
どのタイプの商品であれ、そのようにして外気を遮断することで肉の品質と鮮度を保ち、汚染を防ぐことができます。
基本的に素手で商品を扱うことはない
また経験上、大抵洗わずに調理されるであろう肉の商品を素手で扱うことはまずありません。
基本的には異物混入を予防する目立つ色(青系が多い)のゴム手袋またはビニール手袋を着用します。
ただしこの点は会社やお店によって異なる可能性があるので、全体的な傾向だと思います。
ただ、たとえ加熱するとはいえ見ず知らずの誰かが素手で触ったものを口に入れるのは多くの日本人にとって抵抗があることは事実でしょう。
鶏肉の扱いは一段階難しい
また牛・豚・鶏とある中で、お肉屋さんにとってより神経質に扱うべきなのが鶏肉。
なぜかというと、鶏肉はサルモネラ菌のリスクが高いからなんですね。
ですから肉の種類ごとに使う器具を分けるのはもちろん、鶏肉を扱う時には殺菌や消毒などで特別なルールがあったりします。
ボリビアのお肉屋さん
スーパーマーケットはまだマシ
ではボリビアではどうかというと、これは買い物をする場所次第で状況が大きく異なります。
大手スーパーマーケットだけを利用するなら、比較的高めではあるものの密閉された生鮮肉を買うことができます。
肉売場の雰囲気や並んでいる生肉も、日本でいうコストコのような感覚に近い。
もし仮に都市部で、財力にモノをいわせてボリビアらしくない生活をする、と決意しているならこれで解決です。
市場は結構衝撃的
ただし、より現実的かつ一般的な買い物の場所はメルカド(Mercado: 市場)。
メルカドの肉屋さんが集まっているエリアに行くと、そこでは日本ではまず見られない光景を目の当たりにできるでしょう。
販売方法
それぞれの店舗が仕入れた牛や豚の大きな枝肉がガンチョ(Gancho: 鉤、手鉤)に吊るされています。
お店の人はそれを店頭で並べやすくするために、いくつかの部位やブロックに解体していきます。
ホルモンなど内臓はアルミのトレーなどに入れてカウンターに置かれます。
肉は扱いやすい大きさに切り分けられた後、一回り小さなガンチョに吊るして販売されます。
その光景はまさに文字通りの肉のカーテン状態。
あ、僕は別に某アニメ世代でもなければ特に内容を知ってるわけではありませんよ。
その肉のカーテンを歩きながらじーっくり観察して、良さそうなのがあったら適宜切ってもらうのが一般的な買い物の仕方です。
どうですか?なかなかワイルドでしょ?
でも、ワイルド要素はまだまだこれからです。
仕入れはピックアップトラックを駆使
田舎町のメルカドのお肉屋さんでは、専用のトラックを使って枝肉を仕入れるなんてことはしません。
ごくごく普通のピックアップトラックで運んできます。
午前中には屈強な男性陣がそれを荷下ろしして、背負って店まで運んでいく様子を見ることができます。
これはヤパカニでは普通に見られる光景。
ラパスの市場でどうなのかはよく知らないのですが、同様の仕方で運ばれている可能性は十分ありますね。
冷蔵設備などなく、品質管理などあったものではありません。
ボリビアは黙って素手で!
生鮮食品を扱っているからといって、ゴム手袋なんてたいそうなもの着けてません。
ベーコンやハムなどの加工肉、またひき肉を除けばそこで扱われているほぼ100%の肉は素手で扱われています。
しかも同じ手でお金を扱う。
ちなみに日本の食品衛生基準では、お金は汚物に分類されます。不特定多数の人が触ってますからね。
だいたい人間の手って見えないだけでめっちゃくちゃ汚いんですよね。どんだけ洗ってても。
だからボリビアで肉を買ったらまず流水で念入りに洗います。
クレームを言う相手を探す前に、自分の胃腸は自分で守らないと。
鶏肉専用器具など存在しない
さて、日本では鶏肉にはサルモネラ菌対策の厳しいルールが設けられていることがほとんどであると前述しました。
しかしボリビアのお肉屋さんでは最初からそんな概念は存在せず、日本人の衛生的感覚はすべてぶち壊してきます。
一般家庭と同様、牛・豚・鶏と包丁やまな板を使い分けることなど一切しません。
なんなら、水道水や洗剤、アルコールを使ってその都度洗うのすら見たことがありません。
この状況は、牛肉であれ豚肉であれ鶏肉と同じ包丁やまな板によって汚染されているということです。
同じ手であらゆるものを触っていると思うと、危機感すら感じるほど。
ちなみに店頭には日本ではあまり見かけない頭つきの丸鶏がいつでも並んでいます。
地域差あり
また、ラパスは国土の広さと気候の多様性も特徴的な国です。
それぞれの地域のお肉屋さんを僕が観察した印象についてまとめてみます。
ラパス方面
標高3,000mを超える高地は、気温と気圧が低く食品の保存には適しているいわば天然の冷蔵庫のような地域といえます。
市場で長時間外気に触れながら販売される肉もそれほど劣化しません。比較的品質が良い。
サンタクルス方面
一方、高温多湿なサンタクルス方面は食品の保存が難しく、食肉に関してはより注意が必要な地域。
であるにもかかわらず、食品販売用の冷蔵ディスプレイを使うことはさほど多くありません。
ベーコンやバターなどを販売するために導入しているお店もありますが、生肉を含めすべての商品のために使っているところは稀という印象。
昼頃には肉の表面の色が濃くなり、干し肉状態に近づいているのが分かります。
さらに、この地方で厄介なのは気温だけではなく、ハエなどの虫が多いことです。
基本的にハエが枝肉や販売中の肉のカーテン、解体された牛の頭部などにたかっているのは普通です。
お店の人はキレなどでハエをはたきます。
当初ラパスをボリビアの標準だと思っていた僕は、そのような光景を目にした時は衝撃以外の何物でもなかったですね。
ボリビアの肉はしっかり加熱が基本
いかがだったでしょうか。
日本では牛肉を加熱しすぎると硬くなってしまうことはよく知られています。
だから一般的には内側が若干ピンク味が残る程度の加熱が望ましいとされています。
しかしボリビアでは、かなりしっかりと火を通します。
少しでも赤みがかっているなら入念に焼き直すのがボリビアの人々の感覚です。
肉質は当然めちゃくちゃ硬い。
まあこれには牛の飼育法や肉質も大きく関わってくるわけですが。これについてはまた今後おいおいということで。
でもその代わり、日本ではあまり味わえない赤身肉の肉感と歯ごたえに魅力を感じる方はきっと少なくないと思います。
いかにも「肉喰ってる!!!」という。
「食ってる」ではなく「喰ってる」というのがポイントですね(笑)。
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ちなみにボリビアの肉をよだれが出るほど懐かしく感じている友人のブログはこちらから。
それではまた次回、アスタルエーゴー!
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