【カルチャーショック】ブロケオ-日本では考えられない!ボリビア国内移動中の体験

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文化

こんにちは!こんばんは!おはようございます!

いかがお過ごしですか?今年は日本各地で積雪が例年よりも多いようですが、体調など崩していないですか?

僕が住む南米ボリビアはちょうど地球の裏側なので、季節はいわゆる、暑い雨季になります。

ただ、現在も自由な外出ができる状況ではないため、運動不足と格闘中。

何の活動をするにも自分の部屋の中で完結してしまうってのは、やはりいつまで経っても慣れるものではないですね。

できる時には人混みが落ち着いた夜にひとっ走りするように心がけています。

ちなみに2021年2月現在もコロナウィルスの第二波の脅威は続いており、各地で死者が出ている模様。

Googleの統計によれば、ここ7日間で平均1,000人を超える新規感染者が出ているとのこと。

もちろん潜在的な感染者がたくさん街にいると考えると尚更深刻。まだまだ警戒を緩めるわけにはいきません。

ボリビアの風物詩-ブロケオ

さて前置きが長くなってしまいましたが、今回は日本の社会では到底信じられないボリビア名物について。

それはブロケオ(Bloqueo: 封鎖、遮断)。言い方によってはパロ(Paro: 停止)とも呼んだりします。

その言葉の意味する通り、道路を封鎖して通行止めにしてしまういわば市民運動の一環のようなものです。

発生する理由はいくつかありますが、事実上ボリビア国内の陸上交通は常にこのブロケオとの共存を余儀なくされています。

巻き込まれてしまえば旅行者かどうかなど関係ありませんし、確実に回避する方法空路による都市間移動しかありません。

ブロケオをいかに察知し回避できるかで、その後の何時間どころか何日間もの行動が大きく変わってしまいます。

この記事では、僕が旅行中に実際に経験したブロケオについて書いていきたいと思います。

このエピソードを通して、実際にどのような規模で影響が及ぶのかをイメージして頂けるかと思います。

ちなみにこの時僕はラパスとサンタクルスのスペイン語方言の違いに結構苦しみました。

その違いについて僕の見解をまとめた記事はこちらから。よろしければついでに見てみてください。

ブロケオ情報はまさに生もの

ブロケオがどこで発生しているのかを事前に把握するのは簡単ではありません。

2019年6月13日のこと。僕はサンタクルスからボリビア東部の田舎町ロボレへと向かう道中でした。

10時発のフロータ(Flota: 長距離バス)に乗り込むため、まずはバスターミナルへとやってきます。

ターミナル内ではバス会社ごとにそれぞれ受付カウンターを構えるというシステム。

それぞれがライバルなので、行き先を大声で叫びながら呼び込んでいて、さながら朝の海鮮市場のよう。

今回利用するバス会社は、23 de Marzo(ベインティトレス・デ・マルソ: 「3月23日」の意)。

友人が前もって電話でチケットを予約してくれていたはず…。

だったんですが、どうも僕のKazukiという名前の発音がうまく聞き取れていなかったのか、

予約状況を記録した座席表には、よく分からないアルファベットの走り書きが。

「僕かもしれないし僕ではないかもしれない…」

と思いながら、結局は新しくチケットを買い直すのでした。この辺りはやっぱり南米のサービスという感じ。

ちなみにここまではいたって何事もなく、さらにはフロータに乗り込むまでブロケオの予感なんて一切なし

通常、ブロケオの情報はバス会社がいち早く収集しているもので、リスクが高い場合はチケット販売を中止することもあるからです。

僕の乗ったフロータは定刻通り…というわけではないものの、あくまで通常通り数十分遅れで目的地へと出発していくのでした。

日本の交通機関のレベルの高さは随所に感じられます。

それは何の前触れもなく突然に

ブロケオは時として突然姿を現すものです。

10時発のロボレ行きフロータは本来であれば16時頃到着する予定の時刻設定。

何事もなく11時前頃に出発したフロータはロボレへの道を快走していきます。

ちなみにボリビアでは数十分の遅れは日常茶飯事。むしろ遅れとはカウントされないと思っていいです。

隣の席にはロボレ在住の屈強な軍人のおっちゃん。出発前に少し話していて仲良くなりました。

当時の僕にはアクセント難しくてあんまり話してること分からなかったけど(笑)。

一人旅の時は、防犯対策の意味も含めて普段から周りの席の人とコミュニケーションをとっておくことは重要です。

トイレに行く時なんかはどうしても荷物を見てもらう人が必要ですからね。

もちろん信頼できそうな人かどうか見極めることは鉄則です。

13時ごろ: 異変

記憶では13時ごろだったと思います。場所は国道4号線上の農村地帯で、ロボレまで3分の1と少し進んできたあたりでした。

先ほどまで真っすぐな道をすっ飛ばしていたのが、ちょっと寝ている間に止まっている

たびたび食べ物を売りに入ってくる売り子さんを乗せるために止まっていたけど、今度は様子が違う。

何せ、周りに座っていたはずの人たちが何人か消えてるし。

外からも誰かがしゃべってる声が聞こえてきます。当然こんなの高速で車が走る道路上ではあり得ないこと。

そう、ブロケオに巻き込まれていたんですね。

他の人たちと同様に、僕も身体を伸ばすついでにフロータを降りてみました。

降りて対向車の通らない反対車線に出て眺めてみると、前にも後ろにも車の長蛇の列。先頭も最後尾もまったく見えません。

巻き込まれたたくさんのドライバーや乗客たちの人だかりができていて、どうしたものかと皆話し込んだりうなだれていたり。

時々、小回りの利く乗用車がサンタクルス方面へとUターンしていく様子も見受けられました。

様子を見守る群衆

サンタクルス県は冬に相当する季節であろうと暑い地域。

長時間の停車につきエンジンを切ったフロータの車内は気温が上がってきており、曇り空の社外の方が快適です。

上の写真はちょうど車外のひとこま。

状況をすっかり吞み込んでいる人たちは、ところどころ輪を作って話し込んだり水分補給を繰り返したりして様子を見守ります。

そもそも日本人とボリビア人とでは時間の感覚が違うようで、特に交通の分野で1時間か2時間程度は誤差の範囲といっても過言ではないようです。

15時ごろ: 決断を迫られる

なんだかんだで2時間ほど過ぎた頃。いよいよ乗客の間でも、諦めてサンタクルスへ引き返す動きが活発化してきました。

さて、自分はどうするか…引き返して翌日リベンジするか…それともブロケオがすぐに解除されることを信じて待つか…。

巻き込まれた地点もまた問題で、進むにも引き返すにも結構な距離を移動しなければいけない。

サンタクルスへ引き返すとすれば、引き返していく誰かと交渉して交通費を払って便乗する必要があります。

もう一泊宿をとる必要もあるし、すべての計画は一日押してしまうことになる。

そうなってしまえば金銭的にも時間的にも痛手です。

幸いにもお隣にいた軍人さんは、何が何でもロボレに進むつもりだったようで、僕もそれに便乗することにしました。

「俺についてこい!」。何とも心強さを感じながら、そのまま進展を待ち続けました。

交渉あるのみ

ロボレへと進むことを決めた人たちは待ち続けました。その日のうちに道が開けるという保証はありませんでした。

そして停車してから3時間ほどが経過した時に、転機が訪れます。

16時ごろ: 強行突破

フロータの運転手たちが、「乗り込め」と乗客たちに指示を出し始めます。既に残っているのは数える程度の乗客たちのみ。

そして皆が乗り込んだら、徐にUターンを始めます。対面通行の道路上で慎重に。

言語力の限られていた僕は、一瞬、「やっぱり諦めて引き返すのか?」と疑問を感じていたのですが…。

その後Uターンを完了したフロータは、なんと反対側の車線をバックでロボレ方面へと進んでいきます。

停車中のたくさんのトラックやフロータを追い抜いていきます。

中には果物や食品、牛などの家畜を積んでいる輸送車も珍しくありません。

どんだけの被害額だよ…。でもこれがボリビアの日常。

進むことおよそ1kmかそれ以上だったと思いますが、再び停車。

そこで乗客たちは全員降り、荷室に荷物を預けている人たちは荷物を受けとりました。

軍人のおっちゃんもなかなかの量の荷物を背負い、両手にも携えます。

そこからは徒歩で先を目指します

数百メートル進んだくらいのところに、今回のブロケオの現場を発見しました。

でっかい木とタイヤで道を塞いであります。横断幕には抗議文が書いてありました。

後から聞いた話では、このブロケオは大豆に関わる農業関連の団体か企業による、政府への抗議活動によるものだった模様。

知らんけど。

というわけで、特に誰かに阻止されるわけでもなく、あっさりと道路脇を徒歩で通過。

ブロケオはあくまで政府に対するものなので、大抵の場合個人に対する暴力などはありません。現場はいたって平和。

ただし、当番制でずっと現場を見張っている人がいるようです。障害物をどかそうとしようものなら、それこそ何が起こるかわかりません。

旅人はあくまでも穏便にその場を通過するのみです。

17時ごろ: ブロケオ通過

荷物を抱えながら無事ロボレ側へと到達した乗客たち。当然ながら反対側にも長蛇の車列ができていました。

車列をひたすら辿っていくと、最後尾に到達しました。

そのような地点にはバイクやクルマで駆け付けた運び屋たちがいて、僕たちのようなブロケオ難民を拾う役目を担います。

それらの人たちと交渉してお金を払って先へ進むのも一つの選択肢。というか、このケースがほとんど。

ただ、一緒に行動していた軍人のおっちゃんは何かを知っているようで、道路に荷物を置いてずっと待っています。

しばらくすると、反対側から同じバス会社のフロータがやってきました。同じ時間帯に逆方向へ向かう便ですね。

彼はそのフロータの運転手に、反対側の便の乗客であることを伝え、交渉した模様。

そして無事、乗客を交換して折り返すその便に、追加料金なしで乗り込むことができました。

しばらく残りの乗客を待った後、17時半ごろロボレに向けてフロータは出発。

結局日はすっかり落ちて、ロボレへと到着したのは21時ごろ。

19時に予定していた用事には間に合わなかったものの、その日のうちに余計な出費無しで到着できたのは不幸中の幸いでした。

本来であれば引き返したり高い輸送料(運賃)を要求されるなどもっと過酷なケースもあり得るブロケオ。

初心者にとっては易しいブロケオデビューとなりました。

まとめ

今回のエピソードを踏まえ、ブロケオについてまとめます。

  • ブロケオとは政府に対する抗議活動で、主に道路を封鎖するなどして交通や経済の流れに支障をもたらすボリビア特有の文化
  • 発生を事前に100%把握することは難しく、目的地へ出発した後にその存在を知ることがある
  • 数時間でブロケオが解除されることはまれで、数日やそれ以上の期間に及ぶこともある
  • ただし、個人に直接的な危害が及ぶことはほとんどない

僕がこのブロケオを通過した後も、数日間はこれが続いたためにサンタクルスとロボレの行き来は難しい状況でした。

かなりの距離を迂回して到達することくらいはできたとしても、大きなストレス。

ボリビアの移動はこのような現実があるため、「最悪、目的地に着けないこともある」くらいのメンタルでいるのがベターでしょう。

ちなみに、僕のエピソードがかすむほどの波乱万丈なボリビア滞在を経験した友人もブログをやっています。

どうぞこちらからのぞいてみてください。

というわけで今回はこのあたりで。チャオチャオ~。

コメント

  1. 田舎者A より:

    おもしろいけど今の生活環境との違いに順応するには、諦めの感覚、「しゃあないな」で乗り切るしかないですね。

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