京都府と兵庫県の北部をまたぐ京都丹後鉄道では、有名な日本三景のひとつ天橋立エリアと舟屋で有名な伊根エリアを周遊するのにぴったりな「海の京都 天橋立・伊根フリーパス」が販売されています。
このフリーパスの主要な特徴やモデルコースについてはこちらの記事でまとめているので、どうぞご覧ください。


このフリーパスの魅力は、天橋立・伊根エリアの乗り物に乗り放題であるだけでなく、京都丹後鉄道全線も乗り放題であるということ。
しかも当フリーパスでは、対象となる特急列車の自由席にも乗れちゃいます!
ただし自由席の設定がない全車指定席の特急には当フリーパスのみでは乗れません。
こことても大事で注意が必要なので、後の解説もよくご覧ください。
出発地選びが大切

遠方から天橋立・伊根エリアに訪れる場合、まずは旅の起点がどこになるのかがカギになってきます。
多くの方は以下の3つの駅までJRやバス等で到着して、当エリアを目指すことでしょう。
- 福知山
- 豊岡
- 西舞鶴
これら3つの駅が、天橋立を含む宮津エリアから3方向に伸びる京都丹後鉄道の末端の駅となります。
まず、これらの出発地から天橋立までの運賃は以下の通りです。
| 出発駅 | 片道運賃 | 往復運賃 | 自由席特急券 |
|---|---|---|---|
| 福知山 | 800円 | 1,600円 | 700円 |
| 豊岡 | 1,200円 | 2,400円 | 700円(網野~天橋立) |
| 西舞鶴 | 650円 | 1,300円 | 該当列車なし |
どの駅を出発点とするか次第で、倍近く価値が変わることがわかります。
しかもどの駅を起点とするかで、旅の雰囲気もガラッと変わってきます。
それを踏まえて、起点となる3駅から天橋立駅へとフリーパスを使ってアクセスした場合の評価を一覧でまとめた結果がこちら。
| 福知山発着 | 豊岡発着 | 西舞鶴発着 | |
|---|---|---|---|
| おススメ度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
| メリット | 使える特急が多い | 往復乗車分で元が取りやすい | アクセスが最も良い |
| デメリット | 普通・快速は乗り換え必須 | 列車本数が少なく計画性重要 | 往復乗車分では元が取れにくい |
| 向いてる人 | 快適かつ便利にコスパよく観光したい人 | ローカル列車の雰囲気をしっかり味わいたい人 | 列車移動の道中よりも現地エリアでしっかり周遊したい人 |
それでは詳しく見ていきましょう!
福知山発だとコスパよし!

関西圏を経由して訪れる多くの人は、京都府北部の福知山駅までJRや高速バスなどを利用して来られることでしょう。
天橋立までの所要時間は快速列車をスムーズに乗り継げて約50分、乗り換えなしの特急で約40分弱です。
福知山発で当フリーパスを使う人は、実は起点となる3駅の中でもっともコスパよく旅ができるのでおすすめです。
列車本数が多い

福知山から天橋立の一駅前である宮津を結ぶ宮福線は、京都丹後鉄道の中でも列車本数がもっとも安定している主要路線です。
普通・快速列車系統だけでも、ローカル線では優秀な概ね1時間1本ペースで一日を通して運行します。
なので行きも帰りも1時間単位で比較的柔軟にプランを組み替えられる利便性があります。
ただし気を付けるべきは普通もしくは快速列車を使うと必ず宮津駅で乗り換えが必要になること。
この一点を除けば、福知山発プランはもっとも柔軟性が高い選択肢となります。
特急列車も選択肢に

忘れてはいけないのが特急列車の扱いで、当フリーパスでは対象となる特急列車の自由席にも乗車可能です。
自由席の設定がない全車指定席の特急には当フリーパスのみでは乗れませんが、仮に利用する場合はこの区間の指定席特急券950円を追加することで可能となります。
なので、特に自由席つきの特急列車が数本運行されている宮福線ではアドバンテージがあります。
仮に福知山~天橋立でたんごリレー号などを使ったとすると、自由席特急料金片道700円分を得したことになります。
帰りもたんごリレー号に乗れたとしたら往復で1,400円にもなり、運賃と合わせるとこの時点で実質3,000円分の元を取ったことに。
天橋立・伊根エリアで550円分を使用すれば、フリーパスの元を完全に取れたことになります。
素晴らしいコスパですね。
豊岡・西舞鶴発は工夫次第
列車本数に恵まれた宮福線に対して、宮舞線・宮豊線では列車の運行頻度が限られてきます。
特に自由席つきの特急列車を狙って利用できる機会が非常に制限されるため、これらの駅を拠点とするなら少し工夫が求められるでしょう。
豊岡発なら計画性ある行程を

兵庫県北部、城崎温泉の近くに位置する豊岡駅。
今回比較している起点3駅の中で天橋立から最も遠く、また最も発着列車本数が少ないのがこの駅です。
天橋立までの所要時間は普通列車で1時間15分程度、特急列車で1時間もしくはさらに数分といったところ。
運行頻度はややまばらで、特に日中は2時間以上発車時間が空くタイミングもあります。
なので豊岡を起点とする旅にはある程度の計画性が求められます。
ただし普通列車で往復するだけでも2,400円分使うことになるので、天橋立・伊根エリアで残り1,150円分を利用すればフリーパスの元が取れることになります。
便利で豪華な特急はしだて号は利用対象外

この区間の面白いところは、特急列車の運用に大きな癖があることです。
まず注意すべきは当フリーパスのみでは乗車できない、全車指定席のはしだて号。
ただし豊岡~夕日ヶ浦木津温泉間では快速として走るので、この区間だけは問題なく利用することができます。
はしだて2号は朝8:43という出発にはちょうどいいタイミングに豊岡駅を発車しますが、途中の夕日ヶ浦木津温泉から先の天橋立までは通しで(当フリーパスのみでは)乗ることができません。
ひと駅先の網野からは乗り継ぎにちょうどいい普通列車が出ていますが、現行のダイヤではその選択肢をとることができないため豊岡発の利用には大変不向きです。
この区間を利用するにはフリーパスと別途に指定席特急券950円が必要となり、フリーパスの3,550円と合わせると合計4,500円。
ただしはしだて号に使用されるKTR8000形気動車「丹後の海」車両は内装がとても豪華で走行性能も高いので、目的が列車旅であればあえて使う価値はあるでしょう。
ちなみに天橋立から帰る際にちょっと早いですが14:34に出るはしだて7号に乗るなら、旅の疲れを抑えて優雅に豊岡に戻っていくことができます。
950円の追加課金も案外悪くはないのかもしれません。
たんごリレー号は往路のみ
当フリーパスでは、特急たんごリレー号の自由席には追加課金なしで乗車することができます。
ただしこの列車を利用するには2つの問題があります。
ひとつは往路のみ選択肢があることで、天橋立から帰ってくる際には利用できる便が設定されていません。
もうひとつは、その唯一使える豊岡発たんごリレー2号の発車時刻が10:54とやや遅いことです。
快速として豊岡を発車し、途中の網野から特急となるこの列車で天橋立に到着するのは11:54。
午後の時間のみ急ぎ足で天橋立・伊根エリアを周遊する割り切ったプランであればおすすめです。
もしこうして往路の網野~天橋立で特急自由席を利用したとすると700円分節約したことになり、豊岡からの往復運賃と合わせると3,100円。
福知山発プランよりもわずかに鉄道利用分のコスパが良くなることになります。
西舞鶴からは距離と時間でアドバンテージ

京都北部を代表する重要な港町である舞鶴。
その西側に位置する西舞鶴から天橋立までは、普通列車でおおむね40分~50分程度。
この駅を旅の起点とするメリットは、そのアクセスの良さと安定した発着本数でしょう。
天橋立を挟んで対極にある豊岡に比べるとやや発着本数で勝るので、旅の計画性でやや自由度を持たせることができます。
そのかわり鉄道利用分の金額が往復でも1,300円と安く特急列車もこの区間には設定されていないため、元を取ろうとすると天橋立・伊根エリアでどうしても2,250円分を利用することになります。
もっともこれは、天橋立以外で途中下車などをしなかった場合ですが。
その分時間的なアドバンテージがあるので、天橋立・伊根エリアでしっかりまんべんなく周遊したい人にはとてもおすすめです。
一方で、伊根までは足を伸ばさず天橋立駅周辺の散策で十分な人にはフリーパスはオーバースペックといえるでしょう。
その場合はフリーパスを使わず、通常料金で観光するのも視野に入ってくるかもしれません。
まとめ
以上をふまえてまとめた一覧表を改めてどうぞ。
| 福知山発着 | 豊岡発着 | 西舞鶴発着 | |
|---|---|---|---|
| おススメ度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
| メリット | 使える特急が多い | 往復乗車分で元が取りやすい | アクセスが最も良い |
| デメリット | 普通・快速は乗り換え必須 | 列車本数が少なく計画性重要 | 往復乗車分では元が取れにくい |
| 向いてる人 | 快適かつ便利にコスパよく観光したい人 | ローカル列車の雰囲気をしっかり味わいたい人 | 列車移動の道中よりも現地エリアでしっかり周遊したい人 |
今回は天橋立・伊根エリアの周遊を旅行のメインと想定して比較してみましたが、城崎温泉など他のエリアとの兼ね合いでそれぞれニーズは変わってくることと思います。
ぜひ北近畿エリアを旅する時はさまざまな選択肢を検討してみてください。
ちなみに今回比較した路線の中で筆者のおすすめ区間は、、、西舞鶴から由良川橋梁を通った後の宮津に至るまでの海沿い区間ですかね。
由良川橋梁を渡り、海沿いを走って宮津へ向かう車窓は、北近畿のローカル線らしさを感じられておすすめです。


