ボリビアに到着してから早くも1ヶ月以上が経つので旅の記録をまとめます。
先日の投稿では日本からアルゼンチン・ブエノスアイレスまでの空路の流れについて解説しました。
次はほとんどの日本人にとっては未知の世界であろう、長距離バスについてお伝え致します。
まだまだ長距離バス天国の南米
まずは長距離バスの起点となるバスターミナルについてレポート。
新幹線や飛行機など、目的地の距離に応じて多様な交通手段が存在する日本。
それに対して南米は距離を問わず自動車による陸路輸送がかなりのシェアを誇ります。
理由はもちろん価格。
ごく一部の富裕層に対して貧困層が圧倒的大部分を占める社会構造がそうさせています。
その分南米の長距離バスは日本以上に発展しており、座席の快適性や設備サービスはとても頑張っている印象を受けます。
ブエノスアイレス・エセイサ国際空港から長距離バスターミナル
ブエノスアイレスは国際空港が比較的市街地から遠くないところに位置しており、沿岸部にあるバスターミナルまでは車で約40分程度の距離にあります。
ブエノスアイレスに到着するにあたって、今回筆者がミスを通して学んだ教訓は以下の通りです。
エセイサ空港のWi-Fi環境
南米の国際空港はコロナ禍前後でだいぶ利便性が改善されたように見受けられますが、その一面はWi-Fi環境です。
特にペルー・リマのホルヘチャベス空港などはWi-Fiの時間制限撤廃など大きな変化がみられています。
エセイサ空港はというと、どうやら空港公式のフリーWi-Fiの提供はない様子。それらしきSSIDは見つけられませんでした。
安全性のやや疑わしい電波は無料で使うことができたので、かろうじて待ち合わせた友人と連絡を取ることができました。
安全性に関しては自己責任で。
空港内のATMで現金を用意
いくら大都市とはいえ南米の各都市の利便性はアジアや北米と比べるとどうしても劣ります。
ATM事情はそのうちの一つで、街中に比べると国際空港内が圧倒的に便利。
とりわけバスターミナル周辺は治安の悪さが目立つうえに使い勝手のいいATMが見つからず不便なため、換金は必ず空港で済ませておくべきです。
そしてそもそもどうしても現金が必要なのは、バスのチケットを買う目的ですら現金が不可欠だからです。
これに関してはさすがに想定外で、クレジットカードかせめてデビットカードくらいは使えると思っていました。
日本もコロナ禍を経てようやくキャッシュレス化が進んできましたが、その基準からしても想像以上に現金社会を維持しているのでアルゼンチンを訪れる際はご注意を。
バスターミナルの印象
世界的大都市ブエノスアイレス。
そこに乗り入れる多くのバスを受け入れるターミナルはさぞ先進的なのだろう、と思っていた筆者の期待はまあまあへし折られることになりました。
大規模であることは間違いないのですが、基本的にサービスは良くないというのが正直なところです。
詳細は以下の通り。
治安が悪い
空港とバスターミナルの決定的な差といえば治安の悪さでしょう。
航空便を利用する客層と長距離バスを利用する客層は、混ざることがほとんどありません。
移動距離が長ければ長いほど、航空便を利用できる人はいつも航空便を利用します。
逆に経済的事情によりバスしか利用できない人は常にバスしか利用できません。
この極端な差はバスターミナルの治安に顕著に表れ、その周辺には残念ながら貧困層や移民難民の人々が多く見られます。
駐車場は常に車上荒らしのリスクに気をつける必要があり、目につきやすいものや貴重品を車内に置いておくのはNG。
各国際空港での治安が比較的良かっただけに、日本人にとっては特に警戒レベルの切り替えが必要な場所といえそうです。
ターミナルの構造
今回は昼間の滞在だったので屋内の照明はあまり点灯しておらず、全体的にスラム街のような暗い印象を受けました。
ターミナルは3階建て構造となっており、外観は大きなコンクリート製の要塞ともいえる立派なもの。
一昔前の廃校になった校舎のような、かなり無骨な印象を受けます。
送りのためのクルマは多くの国際空港のように2階部分に直接乗り入れることができるようになっています。
バスターミナルの乗車口や売店など多くの機能も、基本的には2階部分に集約されています。
1階部分には4つの出入り口がありますが、すべてが開いているわけではありません。
2つ目と3つ目の出入り口のみが機能していて、両端の出入り口は基本的に封鎖されています。
3階部分は主にチケットカウンターが並んでおり、多くのバス会社がひしめき合っています。
ターミナル内の移動
ネガティブなことばかり並べる印象になってしまいますが、日本のみならず同じブエノスアイレスの空港から来て比較しているわけなので仕方がありません。
それでもターミナル内にはエスカレーターがありますが、中央部に1階から2階へと昇る部分だけあり、下りとその他の部分は階段しか使えません。
またエレベーターも2基ほど見かけましたが、いずれも故障中のようでした。どちらにせよ安全ではなさそうなので使わない方がいいでしょう。ギロチン事故にでもなったら恐ろしいですからね。
現金は必ず空港でおろしておく方が良い
繰り返しになりますが警告のために。
大都市のバスターミナルであればクレジットカードが使えるか、少なくともATMで現金をおろすくらいはできると考えていた筆者。
しかし当バスターミナルにはクレジットカード対応の店舗はおろかATMすらありません。
完全に詰みました…。
ちなみに周辺に完全にATMがないわけではありませんでした。
Banco Santanderの支店がありATMを使ってクレジットカードで現金を引き出すこと自体は可能。
問題はATMで扱える上限金額に対して旅費が高すぎるのです。その金額80,000ペソ。
しかも昨今の情勢によりアルゼンチンペソの価格は乱高下を続けており、ひと月違えば旅費の設定も倍近く変わってくるような始末。なかなか大変な時代です。
要はボリビアまでの現金の旅費を用意できるだけのキャパをもったATMがなかったわけです。
外貨送金サービスWestern Unionの店舗もターミナル内にあるものの、クレジットカードの現金引き出しには対応していませんでした。
陸路での旅を計画されている方はどうぞお気を付けください。
アルゼンチンからボリビアへの陸路の移動の様子については続く記事にて
次の記事ではいよいよアルゼンチンからボリビアへの陸路での国境越えについて記録をまとめています。
どうぞご覧ください!
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