【相手に何かを頼むとき・命令するとき】スペイン語圏でも敬意と丁寧なフレーズは必要!

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かばん

南米社会とかスペイン語圏という響きと接した際、あなたはどんなイメージをもちますか?

フレンドリー(社交的)で対人関係で壁を感じない明るい小さいことは気にしない…などポジティブでいい意味での大雑把さをイメージする人は少なくないかもしれません。

たしかに、プライバシー対策や住環境の変化に伴い、対人関係にますます問題やストレスを感じている人が増えているといわれる日本社会と比較すると、
南米の人たちは全体的に気さくでポジティブな印象は強いです。

ただほぼ100%がそういう人たちなのかというと決してそうではありません。

地球上どこであれ同じ人間なので、当然人一倍気を遣う性格の人、気落ちしやすい人やうつ病と闘っている人は少なからず存在します。

…とまあ、この記事ではそんなネガティブなテーマについて述べるわけではありません。

スペイン語圏で注意しておきたいのは、ことわざを借りれば「親しき中にも礼儀あり」、つまり比較的フレンドリーに接してくるであろう人たちに対して気遣いを忘れないように、ということです。

コンテンツ

命令口調は避けた方がいい

命令

対人関係でもっとも気をつけるべきは、相手に何かを頼むときです。私たちの普段の日本語会話でも同じですよね。

自分が何かを頼まれる側だと想定して、どんな頼まれ方をしてほしいですか?

普通こちらの権利を尊重した頼み方をしてほしいと思うに違いありません。

逆に融通の利かない、こちらの都合などまったく考えていないような命令口調で頼まれると、一瞬にして相手への信頼感は落ちてしまうかもしれません。

スペイン語圏の人たちも同じです。

いえむしろ、彼らの方が個人の自由意思に関してより解放的というか、多くの自由を求める傾向にあるでしょう。
日本人は比較的相手に対する配慮の心をもつ人が多いと思いますが、南米人をはじめスペイン語圏の人たちはとにかく何かに束縛されるのを嫌います。

そんな彼らに正当な理由なく命令してしまうと、大抵は少し嫌な気分になります。
次に説明する文法的な感じ取り方の違いに注意してみましょう。

ネイティブの感じ取り方を理解する

考え方

スペイン語は文の組み立て方が日本語と大きく異なるため、学習者はその言い回しがネイティブにどんな印象を与えるのか学ぶことが重要です。

スペイン語を勉強するうえで、この分野はやはりネイティブと会話して雰囲気をすり合わせることが最大の教科書だといえます。
そのうえで、以下解説します。

フレーズ例

たとえば、誰かその近くの人にかばん(cartera)をとってよこして(pasar)ほしい状況だったとします。
その時に使えるフレーズは以下の通りです。
やや会話的ではないですが、ニュアンスを誇張するために主語をつけて和訳もつけています。

  1. Pásame la cartera. (「、かばんとってくれ。」)
  2. Páseme la cartera. (「あなた様、かばんをとってください。」)
  3. ¿Puedes pasarme la cartera? (「、かばんとってくれますか?」)
  4. ¿Puede (usted) pasarme la cartera? (「あなた様、かばんをとって頂けますか?」)
  5. ¿Puede (usted) pasarme la cartera, por favor? (「あなた様どうかかばんをとって頂けますか?」)

違いが分かりますか?変化するポイントとなる文字を太字にしています。

ご覧の通り、これらは上の方がより自分に近い人に使うフレーズ下にいくほど丁寧なフレーズとなります。

行動の選択権がどちらにあるかを考える

上記5つのパターンのうち、1と2は相手に選択肢がない状態3,4,5は主語が相手であり相手が行動を決める権利がある状態、このように区別できることに注目できます。
後者であれば、相手はそうするかどうかを自分で選ぶことができます。

求める動作は同じであるとはいえ、丁寧さに応じてざっとこれだけのパターンが存在するんですね。

しかも”pasa”のように原形と同じ母音を語尾に充ててしまうと、命令形の場合相手に敬意が不足しているニュアンス、つまり「君(きみ)」という相手に対して命令を下していることになるわけです。

もしこれを初対面のそれなりの役職にある偉い目上の人に対して使ったとしたら、後味が悪くなることはほぼ確実でしょう。
相手がよほど謙虚な人格者でない限りは。

“pasar”を「あなた様」に対する命令として使うのであれば、語尾の母音を入れ替えて”pase“とする必要があります。
接続法と同じ形です。

今回の”pasar”のような動詞の活用についての詳細な説明はここでは割愛するので、別の記事や辞書でご確認ください。

穏やかに相手に何かを頼むときは、”¿Puede (usted) ~?“もしくは”¿Puedes ~?“というフレーズを使って相手に選択権を与える仕方で。
ぜひ覚えておきましょう。

旅行者にはほぼ不要だが、より高度なコミュニケーションを目指すなら必須

コミュニケーション

最後にこの記事で述べている内容がどんな人に必要なのかということについて説明します。

見出しの通り、通りすがりの旅行者の方はそこまで気にすることはないかなと思います。

私たち日本人は、外国人のたどたどしい日本語で命令されても気分を害することはないでしょう。
彼らが敬語を使いこなせるほど日本語レベルが上達していないことを知っているからです。

「旅の恥はかき捨て」といったりしますが、旅行のために付け焼刃的に覚えたフレーズは現地の人にとってはほぼ外国語も同然です。
そもそも自分たちの言語をしゃべることができないのだと一瞬にして理解するものです。
(中には近隣諸国も同じスペイン語を話すため、「スペイン語が分からない」という状態を理解できない人は存在しますが笑)

一方で、限りなく第一言語と同等のコミュニケーションレベルを求める上級者や居住者はまちがいなくこの記事で述べているように敬語の区別が必要です。

現地にいれば同じ人と何度も繰り返し接することになります。
そのような環境の中でうまく人間環境を構築していくためには、やはり細かいところで人間性を適切に表現していくことが重要になってきます。
繰り返し接するうちに、だんだん相手の行動パターンや言葉遣いは良くも悪くも印象に濃く残っていくものです。

たとえ日本語の上手くない外国人だと分かっていても、ずっと質の悪いタメ口や命令口調を使ってくる場合、イラっとしてしまうのではないでしょうか。
自分がそのように知らず知らずのうちに相手にそう感じさせているとしたら、非常にもったいないです。
今お読みのあなたも、そうなってはもったいないです。

現実問題、現地で生活している限り言語レベルを上達させることは人間関係を良くしていくために欠かせないことなのです。

それに、そもそもずっと「中途半端にスペイン語を話せる存在」のまま留まっておくのは単純に悔しい、というのは大きいですね。
間違いない。

スペイン語独学の方、お手伝いします。

さて、ここまでご覧の方の中には既に独学もしくはそれに近い形でスペイン語学習を進めている方もおられるかもしれません。筆者も日本では完全独学を貫いてきたのですが、やはり誰かと実際にスペイン語を使ったり相談できる機会があるだけでだいぶ習得の道のりが変わっていただろうなと想像できます。

筆者は最近「ココナラ」というサイトで、安くて気軽に、短時間でサクッとできるスペイン語会話ビデオチャットサービスを始めました。「会話が成立するようなレベルかどうか心配」「いきなりネイティブが相手だと緊張する」というお悩みをおもちの方、

その気持ち、めちゃくちゃ分かります。

そんな方のために、レッスンという堅苦しい枠にとらわれず、スペイン語というテーマでの雑談の延長線上という位置づけでやっています。ご希望次第では、ボリビアでの生活に関する情報についてご提供する場としてもご活用頂けます。

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