カテゴリ: スペイン語
April 23,2021 at 6:00 PM

【文法】自分や他の人をどう呼ぶ?スペイン語の人称代名詞

日本語を自在に操る私たちは、自分のことを実に多種多様な呼び方で呼びますよね。文法用語ではいわゆる人称代名詞というやつ。

僕の場合は、普段はこのように「僕」、少しフォーマルな場では「私」と呼び分けることがあります。

さらにはイレギュラーですがその場の状況や雰囲気に合わせて「俺」、「うち」、「わし」などと呼んだりすることもあります。

ご存知の通りこれらは日本人が自分のことを指していう呼称のほんの一例に過ぎません。

男性と女性でもだいぶ異なります。男性だけでも「拙者」、「当方」、「我が輩」…まだまだ上げていけばキリがありません

外国人にとっては、相手の日本人がこれらのうちマイナーな呼び方を使っている状況に出くわした場合とても厄介なことでしょう。

たとえば「うちなぁ、この間めっちゃいい掃除機買ったんよ〜」と話しかけたとしたら、この呼び方に慣れてない人はどうなるでしょう?

「ん、うち?家のこと?ってことは家族?でもこの人は実家から出て一人暮らしだから、今話してることはその遠くにいるはずの家族のこと?なぜここでその話を出すのかな…?」

みたいな疑問が頭の中をぐるぐる駆け巡るかもしれませんよね(笑)。

もちろん、人によっては単に自分1人のことを指して「うち」と呼びますが、本来「うち」とは家全体を指す意味も含む言葉。複雑ですね。

スペイン語は超簡単

さて、一方のスペイン語で「自分は~」「あなたは~」「彼は~」と呼ぶ場合はどうなのか。

スペイン語文化に興味がある方にとっては避けては通れないテーマとなっています。どうぞお付き合いください。

1人称 – 自分(たち)のこと

さてまずはボリビア人やメキシコ人が自分のことをどう呼ぶかなのですが、外国人として大変ありがたいことに、男女問わず1種類しか選択肢がありません

ただし、相手が1人なのか複数いるのかによって異なるので使い分けましょう。

自分一人を指す場合は”Yo”一択!

1人称単数形

自分のことは”Yo“としか呼ぶことができません。発音は決してラッパーの人が使う「ヨゥ!」ではありません。

」もしくは「ジョ」と発音し、これは文法上誰もが使うべき一人称の呼び方となっています。

冒頭で述べたように一人称にたくさんのバリエーションのある日本語は、それだけでその人の性格や社会的地位に関するある種のアイデンティティとなり得ます。

かなり極端な例を引き合いに出すと、「妾(わらわ)」なんて自分を呼ぶ女性は、実際に地位が高いだけでなくかなり自信がある印象を受けるかもしれません。

対照的にスペイン語はフラットな印象を受けますね。

根底には地上に住む人間に上も下もない、皆が天の下に平等であるという思想が大きく影響しているのかもしれません。

状況や相手に合わせてへりくだったりする必要がないのは、必要以上に気を遣わなくていいという意味では人間関係において大きなメリットといえるでしょう。

自分と他の誰かを含む場合

1人称複数形

一方で、自分を含む複数人を呼ぶ、いわば「自分たちは~」という場合にはどういう呼称を使うかというと、”Nosotros“です。

そのままローマ字読みをすれば良くて、発音は「ノソトロス」。

自分の所属する会社やチームに関して述べる場合には、この呼称で自分たちのことを伝えましょう。

ちなみに自分一人を指すときには性別で変化しないのに対し、複数形の場合には性別に気をつける必要があります。

女性である自分を含めて女性しか含まない集団を指す場合は、”Nosotras「ノソトラス」“となります。ただし一人でも男性を含む場合は”Nosotros”です。

女性の方は要注意ですね。一方、男性が”Nosotras”を使う機会は一生無いでしょう。

2人称 – 相手を指す場合

さて、一対一の2人で話している場合に使う、「あなた」や「君」という呼称(文法用語的には「2人称」)も同様に1パターンのみなのかというと、そうではありません。

ここは少しややこしいところなので注意が必要ですが、スペイン人を除けば性別の変化がないので覚えるのには苦労しないでしょう。

フラットな相手には

2人称単数形

スペイン語では、「君」もしくは「あなた」に相当するフラットな関係における2人称には”Tú(トゥ)“を用います。

自分が主語になる場合にはアクセントがつくので、メッセージや手紙を正確に書く際には必ずつけておく癖をつけましょう。多くのネイティブはSNSなどのメッセージでは省く傾向が強いですが。

気の知れた友達が相手であれば間違いなくこの呼称で指します。

多くの文化圏では初対面の相手にもこの呼称で相手を扱えますし、恥のかき捨てられる観光客としてであれば相手が誰であれ問題ないでしょう。

言語初心者の通りすがりの人に多くを求める人は、その人自身に問題があります。

より敬意をもって接するべき相手には

一方で、「あなた」もしくは「あなた様」などのより相手を敬うべき関係にある場合は、”Usted“を用います。

発音は日本人には少し難しいのですが、カタカナで表記するなら「ウステー(d)」もしくは「ウステッ(d)」みたいに、最後の”d”はギリギリ聞こえないくらいの発音になります。

後続の単語が母音から始まる場合、たとえば”Usted es …“や”Usted está …”などの場合は発音が繋がるので、それぞれ「ウステーデス …」、「ウステーデスター …」というのが自然な発音になります。

初対面だったり相手により丁寧な応対を求める際には、この呼称で相手を指すことでふさわしい敬意が伝わります。たとえば店員と客などビジネス上の関係にある場合などが当てはまりますね。

親しい友人同士であっても、フォーマルな場で改まった仕方で接する場合にはこの呼称で相手を扱うことがあります。

ただし普段の会話で親しい間柄の人に使っていると丁寧すぎるため、「あれ、気が許されていないのかな」とか「少し冷たい人なのかな」と思わせてしまう可能性があるので注意が必要です。

「君たち」、「あなたたち」を指す場合

2人称複数形

相手が複数人いる時には、基本的には「あなた(usted)」の複数形である”Ustedes“を使えば間違いありません。”Nosotros”に比べて覚えやすいですね。

発音は「ウステーデス」で、「あなたは … だ。」という意味の”Usted es …”の文の始まりと同じ発音になるので、慣れれば文脈で聞き分ける必要があります。

さて、より丁寧な”Ustedes”はどこでも使えるけど、“Tú”の複数形は使わないの?と思いますよね。

実は”Tú”の複数形は存在するのですが、中南米ではまったく使わないので、あくまで知識として知っておいて損はないというレベルに過ぎません。

ヨーロッパのスペイン本国においてよりカジュアルに「君たち」と呼ぶ場合には”Vosotros“を用います。「ボソトロス」と発音します。

知っているが故に使い分けが面倒という典型的な例のひとつで、たとえばスペイン人が中南米人の親しい友人たちに「君たちは~」という話をする場合、相手のためには”Ustedes ~”と話し始める必要があるんですね。

本当は”Vosotros ~”と話し始めたいところを、頭を切り替える必要があります。

一方で中南米人は相手集団が親しかろうがそうでなかろうが”Ustedes”を使うので、スペイン人にとってはいつも丁寧な話し方をするという印象に過ぎません。

しかも”Vosotros”には性別の変化があり、女性しか含まない集団に関して述べる場合には”Vosotras“を用いる必要があります。

よく状況を観察しておかないと、厳密には失礼なことになるかもしれませんね(笑)。

3人称 – 彼、彼女、他の誰かを指す場合

その場にいない誰か、例えば「彼」、「彼女」、「誰か」、「某~」について話すときには、どのような呼称を使うのでしょうか?

彼、彼女の場合

3人称単数形

とある男性について「彼は … だ」という話をする時には、”Él“という呼称を使って彼のことを指します。

発音は「エル」で、書く場合にはアクセントをお忘れなく。男性定冠詞の”el“とは役割がまったく異なるので混同しないように注意しましょう。

とある女性については、女性形の”Ella“を用います。発音は「エジャ」もしくは「エヤ」で、アクセントは必要ありません。

実質同じ単語の性別変化に過ぎないのですが、”Ella”のことをつい「エラ」と発音しないようにしましょう。

彼ら、彼女らの場合

3人称複数形

さて、複数形になった場合には今度は男性の方が覚えるのがややこしいです。

“Él”は”Ellos“と変化、「エジョス」または「エヨス」と発音します。書き言葉のアクセントは消えます。

“Ella”は単純な複数形の変化で、”Ellas“となります。発音はもちろん「エジャス」または「エヤス」です。

誰か、某氏について述べる場合

では、不特定の誰かについて何かを言う場合はどうでしょうか?

「誰か」は”Alguien“、発音は「アルギエン」です。「何か」を意味する”algo”と「~の人」(英語でいうところの”who”)を意味する”quien「キエン」”が組み合わさった単語ですね。

性別については気にする必要がありません。というかその人が誰なのか分からないので当然ですね。

この単語の複数形は存在しませんが、この状況で使うとすれば”Algunas personas”でしょう。

アルグーナス ペルソーナス」、「ある人たち」という意味です。”persona”という単語自体は女性名詞ですが、人間である限り男女関係なく使うことができます。

一方、自分が知っているがその場では名前を伏せたい人物について述べる場合には、男性であれば”Fulano“、女性であれば”Fulana“などが用いられるでしょう。それぞれ「フラーノ」、「フラーナ」です。

複数形は”Fulanos“、”Fulanas“です。

日本語の難しさに比べれば…

最後に、今回見てきた人称代名詞のまとめです。

人称単数複数
1人称YoNosotros / Nosotras
2人称Tú, UstedUstedes, Vosotros / Vosotras
3人称Él / Ella, AlguienEllos / Ellas, Algunas personas

最初のうちはこれらを覚えて使い分けるのは大変だと思います。性別の変化により英語よりもパターンが多いですからね。

しかも、スペイン語は文法の関係上これら人称代名詞の多くを省くことが可能です。

「せっかく覚えようってのにナニィ!?」って感じでしょうか。

しかしながら、冒頭で言及した日本語の難しさに比べればまったく大したことはないのではないでしょうか。

意識して使えば、必ず無意識に使い分けができていることに気づくタイミングが訪れます!

地道にコツコツと、かつ楽しみながら外国語に触れていきましょう。

おすすめスペイン語辞書

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ぶっちゃけ旅行は…

ちなみにスペイン語の習得レベルと旅行の充実度はまったく別の問題です。さほど言語が分からなくとも海外旅行は十分楽しめます!

それを証明する、ボリビアのお国事情にさんざん振り回された友人の旅の記録はこちらからどうぞ!

それではまた次の記事で!¡Chau~!

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